安全なお産のために
心に残るご出産のお手伝いをいたします
お産の経過は、一人ひとり違います。ご自分に合った無理のないお産ができるよう、私たちが精一杯サポートさせていただきます。さまざまな期待や不安が入り混じるときですが、あまり神経質になりすぎず、ゆっくり準備をしていきましょう。
分娩の方法
医療介入せずに陣痛や腹圧など自然の娩出力によって胎児を産み出すことが自然分娩です。当院では基本的に自然分娩を目指しています。分娩が開始した後、順調にお産が進行するよう医師・助産師がサポートします。ただし、必要に応じて適切な分娩方法(陣痛促進剤の使用・吸引分娩・鉗子分娩など)を提案いたします。また、経腟分娩ではリスクが高いと判断した場合は緊急で帝王切開を行うこともあります。
出産予定日をあらかじめ決めておき、陣痛誘発によって出産することを計画分娩といいます。当院では帝王切開術や無痛分娩(2023年5月開始)の場合は計画分娩となります。また、自然分娩を希望されていても、母体や胎児の状態によって早めに出産したほうがいいと診断した場合や、予定日を1週間以上超過した場合などは計画分娩を行うこともあります。
下半身だけの局所麻酔または全身麻酔を行い、お母さんの腹部と子宮を切開し赤ちゃんを取り出す分娩方法です。当院では、逆子が直らない、前回帝王切開を受けた、何らかのトラブルで自然分娩が難しいと判断した場合に帝王切開を行います。あらかじめ帝王切開を選択している場合(予定帝王切開)と、分娩中に母子の安全のため緊急時に選択される場合(緊急帝王切開)があります。当院では24時間365日、手術に対応しておりますのでご安心ください。
麻酔薬を使って陣痛の痛みを和らげるお産の方法です。当院でも2023年5月の分娩より、希望者に硬膜外麻酔による無痛分娩を開始いたします。当面の間は安全性を重視し、経腟分娩を経験されたことのある経産婦さんを対象とし、子宮収縮促進剤を使用した誘発分娩(計画分娩)により計画的に無痛分娩を行わせていただきます。無痛分娩を希望される方や詳しく知りたい方は、スタッフまでお申し付けください。
安全であなたらしいお産をかなえるために…
1.バースプラン
「バースプラン」とは、その名の通り「お産の計画や要望」のことです。出産という一生に数回しかない貴重な体験を、できるだけ自分の要望に合ったものにするため計画を立てます。「どんなお産がしたいか」「出産に際して何を望むのか」を用紙に記入していただき、それをもとに医師・助産師と話し合いをします。妊娠・分娩経過等の問題により叶えられない希望もありますが、できる限り自分らしいお産ができるようにサポートいたします。
バースプランの具体例!
こんな希望がありました
バースプランは出産時にお持ちいただき、外来にて助産師とご希望内容を確認いたします。提出したあとでも、バースプランの内容はいつでも変更できます。お母さんの想い・体調などによって希望が変わるのはよくあることです。入院中の生活についても、ご希望に変わりがないかを都度スタッフから確認します。
※医学的な理由から、ご希望に添えないこともございます。ご了承ください。
2.早期の母子接触 ―カンガルーケア―
早期母子接触とは赤ちゃんの肌とお母さんの肌を合わせるように赤ちゃんを抱っこし、お母さんと赤ちゃんが早期にふれあうことです。
当院では出産直後から、1〜2時間程度を目安にできるだけ赤ちゃんと過ごす時間が持てるように配慮して実施しています。
・感覚が刺激され、お母さんの子宮収縮を促される
・母乳の分泌が良くなる
・赤ちゃんがお母さんの温もりを感じられる
・赤ちゃんの不安が和らぎ眠りが深くなる。
・外の世界に出てきたばかりの赤ちゃんは不安定な時期なため、呼吸状態が変化したり、低体温などの異常がおきる場合がある。
・正しい姿勢でないと、赤ちゃんの呼吸を妨げる可能性がある
3.母子の安全を第一に考えた連携体制
妊娠や出産は、ひとたび異常が発生すれば赤ちゃんやお母さんの生命に危険が及ぶ事態に陥ることもあり、緊急事態への対応が絶えず必要です。当院では、小児科医師・麻酔科医師等と協力し、安全で安心な出産をしていただけるよう、全力でサポートしております。リスクがある出産では、分娩時に限らず出生前より専門的なサポートで赤ちゃんとお母さんを守ります。もちろん入院中にも産科医と小児科医による健康観察を随時行い、万全の健康状態で退院できるようサポートしています。
4.ハイリスクでもできる限り自然分娩をサポート
当院は周産期(妊娠22週から出生後7日未満までの期間)に高度で専門的な医療を提供できる病院として、愛知県より「地域周産期母子医療センター」として認定されました(2019年4月)。高血圧、肥満、腫瘍・筋腫といった危険因子を持った方や、双子などの多胎妊娠、胎児異常などの場合は、緊急で高度な医療行為が必要になることがあります。そのようなリスクの高い妊娠や重篤な場合でも、対応できる設備と受入体制を整えているということが認められました。当院で妊婦健診を受け出産を予定している方はもちろん、紹介や搬送により入院されたお母さん・赤ちゃんにも、安全で質の高い医療を提供できる環境が整っています。
5.24時間 新生児の治療が行える設備
低出生体重児や早産児、先天性の病気などで集中治療を要する新生児に、高度な専門医療を24時間体制で提供するNICU(新生児集中治療室)と、それに準ずるGCU(新生児回復治療室)、また、保育器や人工呼吸器などの高度な設備も完備しています。2022年度中にはさらなる機能拡大のため、NICUを3床か6床へ、GCU6床から9床へそれぞれ大幅増床いたしました。産婦人科医・助産師・看護師をはじめとし、さまざまな職種のスタッフがチームを組んで、赤ちゃんの健康の回復と健やかな成長のために最善を尽くしています。